鳥居の歴史
その強みと、そして役割
明治初年より表具の主材料である織物や表装材料を取り扱う卸業として創業以来、表具の歴史と共に歩んできました。
その表具に使う織物を裂地(きれじ)と呼びます。裂地は主に西陣や丹後で織られ高度な織物技術を駆使し、数多く生み出されてきました。
代表的な表装裂には、紋織物の「金襴」や「緞子」があり、金襴は金糸が織り込まれた華やかで優美な、そして箔を通す事によりしっかりとした厚地、緞子は上品で落ち着いた色目が多いが絹の光沢感が美しくしなやかな織物です。
掛軸とは絵画や書を飾り保存する役目を果たす美術品であり、これを仕立てるのが表具師の仕事です。画家や書家から預かった本紙を表装裂地と組み合わせ設計します。
軸の装いは、書画を決める非常に重要な要素で、貴重な品々にふさわしい美しさ、荘厳さを与えるべく、また掛軸をかける空間にも気を配り、高い美意識のもとに産み出される総合芸術です。特に仰ぎ見てと尊ぶという視覚体験を共有し、伝えていくために選ばれた形であり、日本文化の極めて魅力的な部分を作り上げています。
弊社はおよそ2000種類もの裂地を常時在庫し、表具師や額装店などに納めています。
すなわち何千種類の紋柄が今も存在し、茶の湯で用いられた「名物裂」はその由来によりそれぞれに名称を持ちます。
お客様には多種の裂地から選んで頂くか、あるいは目的に応じてオリジナル柄の制作も致します。織物の素材・柄などの企画を立て、織元と連携する場合や、独自でも製造をいたします。
現在、全国の寺社仏閣や、博物館・美術館の文化財修復等にも特に力を注いでいます。
鳥居の歴史
明治5(1872)年に京都御所の南にて、神仏金襴法衣商の鳥居長兵衛商店を創業。 明治45(1912)年に表装用金襴緞子の卸売業を始める。 表具(掛け軸)を飾る美術織物、いわゆる「表装裂」を専門に扱う老舗として、全国の表具屋を中心に額装メーカー、博物館、美術館、寺社仏閣など得意先は国内海外を含め約1000社。
- 明治5年
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京都御所の南位置(現:中京区絹屋町)に神佛金襴法衣商の鳥居長兵衛商店を創業。
- 明治21年
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二代目長治郎が継承。
- 明治26年
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鳥居長治郎商店に改名。
- 明治45年
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表装用金襴緞子を思考、卸しを始める。
- 大正2年
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三代目覚次郎が継承。
- 昭和3年
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鳥居覚次郎商店に改名。
- 昭和32年
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覚次郎死去。四代目靖司が継承。鳥居商店と改名。
- 昭和44年
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法人鳥居株式会社に改組。
額装見本帳「優雅」第一集を発刊。全国の額縁メーカーに額装裂地を卸す。 - 昭和48年
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本社ビルを新築。
- 昭和60年
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京都府知事より「京の老舗」百年以上企業継承表彰を受ける。
- 昭和61年
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表装裂地見本帳「雅匠」を発刊。
- 平成6年
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表装裂地見本帳「源氏」第一集を発刊。
- 平成27年
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金襴・緞子のワインバッグがグッドデザイン賞受賞。
- 令和元年
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フラワーベースカバー「花なり」がグッドデザイン賞受賞。 見本帳は現在「源氏」第二集、「優雅」第七集にて継続。