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表具に使用される装飾用の裂地を
『表装裂』(ひょうそうぎれ)と称します。
表装裂は書画を装飾すると同時に
日本美術の世界を一層拡げ、深める役目を負っています。
表装裂とは
表具は「表装」とも呼ばれ、一般的に掛け軸を指します。
掛け軸の中心には仏画、絵画、書などがあり、それを飾り保存をする役目を果たします。表具には掛物以外に巻物や屏風、襖などもあります。
表具に使用される装飾用の裂地(きれじ)を「表装裂」(ひょうそうぎれ)と称します。
表装裂は、経糸と緯糸で文様を織り表した紋織物が最も多く、裂地には「金襴」(きんらん)や「緞子」(どんす)等の種類があります。
表装裂には文様が数多くあり、有職文様、吉祥文様、植物や自然となる水や雲、龍などの架空動物、間道や幾何学文様など、また名物裂と呼ばれる茶人が好みとした裂もあります。切り分けたパーツの使用を考慮し、細やかな連続文様が多いのが特徴です。
金襴・緞子
金襴(きんらん)
多くは綾織や繻子織の組織に、「箔(はく)」を使い文様を織り表した裂地をいいます。
使用される金箔紙は、和紙に漆を接着成分として塗布した上に、金箔を押したり(箔押)、 金砂子を振り(砂子箔)それを0.3ミリほどの極細幅に裁断したものを緯糸と合わせて織り込みます。 金箔は、本金やプラチナ、銀、銀を錆びさせた青貝なども用いることがあります。
金箔紙には表裏があり、卓越した織職人の技術を必要とし日本の伝統技法の一つとして認められています。
緞子(どんす)
ここでは金襴を除いた紋織物を総称して緞子と呼んでいます。
経糸、緯糸それぞれの色糸、糸種を使い分け紋様を表現した織物で、その技法は多種にわたります。
織物の三原組織(平、綾、繻子)を巧みに使い分け、伝統的な織物として古来より伝わりました。
代表的な「錦」(にしき)、「綾」(あや)、「繻子」(しゅす)、「紹巴」(しょうは)、「風通」(ふうつう)などがあり、それぞれに風合いや特徴があります。
無地(むじ)
無地は紋様を表現しない裂地の事です。
ここでも綾組織、平組織、繻子組織も含まれますが、紋様の有り無しで区別されます。
平組織に近い「魚子」(ななこ)は、横使いも可能であり落ち着いた風合い、「絓」(しけ)は紬糸(絹)などの玉糸が織り込まれた独特な雰囲気を持ちます。
「䋚」(パー)は経糸が少なく凹凸の無いしなやかな薄地、その他、絵絹や上巻絹、川俣絹など表装にまつわる無地裂は多数あります。
鳥居の歴史
その強みと
そして、役割
明治初年より表具の主材料である織物や表装材料を取り扱う卸業として創業以来、表具の歴史と共に歩んできました。その表具に使う織物を裂地(きれじ)と呼びます。裂地は主に西陣や丹後で織られ高度な織物技術を駆使し、数多く生み出されてきました。